美の真髄。
中世に描かれた多くの肖像画。その衣装の細部に施された文様は、なんと繊細で力強く、華やかなことでしょう。
中には、東洋の影響を物語るような、金欄、ビロードなどの豪華な布地が王侯貴族の富と権威の象徴として重用されました。
だから、王侯貴族の栄華の時代、ルネッサンス期の多くの肖像画にその美しいテキスタイルが栄華の象徴として残されています。
ビロードの上にシルク生地で施されたアラベスク文様は、東洋の神秘をも併せ持つディテールと美しさ。
そのディテールをそのままジュエリーに施すことができるのが作りへの本気度だと思うのです。
たとえば正面から見て美しいということはジュエリーとしてスタンダード。
手の動作に合わせて、目に映るリングの角度は様々に変化します。
文字を書いているとき、食事をしているとき、どんな動作をしている時も美しく見えないとイヤなんです。
オリエンタル調のアラベスク模様を斜めに配しているから、側面から眺めても、見えるのは美しい模様。
手元の動作を美しくみせるためにはこういうこだわってみたい。
ジュエリーは成長した未来の自分が欲しがっている、そんな風に感じます。
だとしたら、このリングに琴線をかき鳴らされた貴女は、もうこの芸術的域の美を一歩先の自分が求めていることを心で感じているのだと思うのです。