人々が生きる喜びを再び見出し、新しくより良い世界を立て直そうと、近代性を備えたものを受け入れることに喜びと情熱を傾かはじけた1900年初頭。
ジュエリーではアール.デコ様式の基礎が確立されたといわれています。

1920年代に登場する＜ギャルソンヌ＞という新しい女性のスタイルは、美の象徴の女性像と大胆な男性的開放感を兼ね備えた2面性を持ち、新しい時代の象徴となっていたようです。

このころ制作されたジュエリーにこのムードを持つ宝石が数々登場します。
＜シュガーローフカット＞
底面が四角形、頂点に向かって辺が伸びるピラミッドのような形。

カボションカットとは違ったムードを持ち、美の象徴の女性像と大胆な男性的開放感を兼ね備えた2面性を持ち、アール.デコ様式時代の空気感を宝石の形で表現したかのよう。

センターにセットしたのはロンドンブルートパーズ　シュガーローフカット。
透明感満ち溢れ、まるで雨に洗われた夜空の清涼な空気感と神秘性を兼ね備えた気配が静かにゆったりと広がるよう。

リングアーム、石枠に施したテクスチャーはごくごく細かなヘアライン。
静かに空気が流れるようであり、とどまることなく途切れることなく空気に満ちる光のシルエットのようでもあり。

ペアリング、パートナーリングとしても素敵なハーモニー。
２本をメタルカラーを替えレイヤードしても、1920年頃フランスで制作されたリング国立西洋美術館所蔵の＜ノエルからヴィオレットへ＞リングの空気感が蘇ります。